千歳ロータリーの森林 現在の様子
分収造林事業は千歳ロータリークラブが行っている事業のうちでも大きな存在であり、世代を超えて引き継いでいく息の長い事業です。
2021-2022年度の季節の移り変わりに合わせて撮影した動画をご紹介します。
はじまり
1990~1991年度の国際ロータリー会長である【パウロ・V.C.コスタ】氏は「ロータリーを高めよ。思いを尽くし、熱意を尽くす」をテーマとして掲げました。一方で同時期に世界的に自然が荒廃していくことに気付かれて環境委員会を発足させました。
千歳ロータリークラブではRI会長のニーズに応えるべく、支笏洞爺国立公園内の国有林の一部分を収造林として当クラブが長期間管理運営する仕組みを検討しました。
尚、分収造林とは森林における所有及び経営形態の一種であり。森林を土地の部分を所有する権利と樹木の部分(地上権)を所有し経営する権利に分離したうえで、経営の結果として樹木の部分が生み出す収入(典型的には伐採した樹木の売却で得られた利益)は土地代及びマネジメント代として、2者で決めた割合で折半(分収)するという仕組みであり、森林の有効利用・健全化に有効な手法の一つです。
このプランに当クラブ全会一致の賛同を得て分収造林の実現に向けての恵庭営林署(現 石狩森林管理署恵庭森林事務所)との協議の結果、1991年からの80年契約での事業に合意を得ることが出来ました。場所は千歳ふ化場の上流部に位置する千歳川第4発電所付近の千歳市蘭越地区に決定しました。
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植栽
分収造林契約を締結したあと1991年11月に植栽場所の「地ごしらえ」を実施して、翌年の1992年5月17日に植栽を実施しました。当クラブ会員とその家族・ローターアクトクラブの皆さんボランティアの方々や恵庭営林署の皆さん総勢で150名余の参加をいただきアカエゾ松の苗木7,300本を植えることとが出来ました。(後日520本補植)
農林水産省、林野庁企画課より「千歳ロータリーの森林(もり)」と名づけ業界紙に紹介された事により当クラブでもこの名称を使用しています。
<植栽時の様子>
分取造林の概要
契約者 :北海道営林局長
場 所 :千歳市蘭越恵庭事業区5372林班と.の位置
面 積 :2.811ヘクタール(約3町歩弱)
期 間 :平成3年10月~平成83年(2071年)9月まで80年間
植栽樹種:アカエゾ松 7300本
伐採期間:平成83年9月皆伐とする。
収益分収の割合:国10/100・千歳RC90/100とする。
分収林の種類 :「みどりの日」制定記念分収造林とする。
<植栽後10年経過時点>
維持管理
当クラブの分収造林は千歳市内から支笏湖方面に車で20分ほどの場所にあり、そこは関係者以外の立ち入りが制限されている国有地に所在します。普段、人の往来・車両の通行がないためアクセス道路や駐車スペースは雑草が伸び放題となり、植栽したアカエゾ松の生育にも影響を及ぼすことから、年2回実施される早朝移動例会の開催に合わせて大々的な草刈り作業・森林内の下草刈りを実施する必要があります。樹木の生長に合わせて下部の枝も成長してしまいますので下枝払いも実施する必要があります。
また当時7820本植栽したアカエゾ松は成長するにしたがってお互いが干渉しあって成長を妨げることとなります。このため定期的に間伐を実施して成長を促進する必要があります。
千歳ロータリーの森林では植栽後20年経過した2012年に約半分まで間引きを実施しました。次回の間引きは2028年を予定しています。
<草刈り写真の掲載>
分収造林の歴史(まとめ)
1990年(平成2年) |
RI会長パウロV.C.コスタ氏(ブラジル)が環境保全委員会を発足。
これを受けて千歳RCでも環境保全への取り組みを検討 |
1991年(平成3年) |
千歳RC分収造林組合設立を決定。(初代組合長 丹治秀一氏) |
1991年(平成3年)
6月~7月 |
北海道営林局長あて分収造林契約の申込手続き開始→内定 |
1991年(平成3年)
9月~10月 |
分収造林契約の申込書提出、契約成立 |
1992年(平成4年)
5月 |
アカエゾ松苗木7,300本を植栽 |
1992年(平成4年)
9月 |
農林水産省、林野庁企画課より「千歳ロータリーの森林(もり)」と名づけ業界紙に紹介された事により今日に至る。 |
1992年(平成4年)
1999年(平成11年) |
毎年春(6月)と夏(8月)の2回、早朝移動例会により下草刈りを実施
平成11年5月には肥料まきを実施 |
1999年(平成11年) |
苗木の成長(高さ2.5M)著しい
雑木の小枝・つる切り作業実施 |
2002年(平成14年) |
一部間引調整も実施 |
2002年(平成14年)
9月 |
森林国営火災保険更新手続き(契約期間10年間) |
2002年(平成14年)
2008年(平成20年) |
環境試験木のビニール袋敷設等を2個所設定し一部間引を実施 |
2005年(平成17年)
7月2日 |
道道支笏湖線右側の分収造林入口の大看板の柱部分が腐食したため大補修改修を実施 |
2008年(平成20年) |
成育状態の確認:7.5M程度(下枝切作業が必要) |
2008年(平成20年)
2011年(平成23年) |
早朝例会で80㎝下の枝切作業を春(6月)、秋(10月)の2回、4年間実施 |
2012年(平成24年)
9月 |
森林国営火災保険更新手続き(契約期間10年間) |
2012年(平成24年)
10月25日 |
間伐3,500本
下枝払作業(10/2~10/25まで)3,600本
※道庁の補助事業活用・千歳森林組合による作業 |
2012年(平成25年)
6月 |
成育状態の確認:11.5M程度(順調に成長) |
2016年(平成28年) |
成長木のカウント記録野帳を作成 |
2017年(平成29年)
6月27日 |
道々支笏湖公園線沿い分収造林入口の看板補修改装 |
2019年 |
平間和弘氏 2代目分収造林組合長就任 |
2020年(令和2年) |
分収造林中央大通の両側の下枝切作業(4.5M-136本)
※平間組合長就任記念として単独で10日間掛けて実施 |