• 8月18日(木) ガバナー卓話

    第2510地区ガバナー(小樽RC) 熊澤 隆樹 様

     皆様、こんにちは。小樽ロータリークラブから参りました熊澤でございます。歯科医の院長と13年前からは歯科衛生士専門学校の校長も務めております。また、このクラブ会員で中村堅次さんは中学・高校と同窓であり大学も同じ道を歩んだということもあり親近感のあるクラブと感じております。

     千歳ロータリークラブは歴史もあ、佐藤パストガバナーをはじめとして、組織自体がしっかりとした理念とメンバーで構成されており敬意を表します。そういったクラブに、私がどうのこうの申し上げることはありませんが、役目柄RIの方針・考え方などを皆様方にお話ししていきたいと思います。

     バネルジーRI会長が掲げている「こころの中を見つめよう、博愛を広げるために」というテーマがあります。会長は愛読書の “戦争と平和”(トルストイ著)の中から、ナポレオン率いるフランス軍が目前に迫ったロシア軍将校とその友人の会話を引用し説明しています。絶体絶命の境地の中で、友人は「勝利をもたらすのは武器だ」という。しかし、将校は「いや。勝利を決めるのは武器ではない。兵士一人一人の中にある気持ちだ」と。ここから分ってくることは、ロータリーとは、ロータリアンとは、正に私達の気持ち、人間のなかにある気持ちそのものだということです。このように私達の行動は「思い」が重要な要素を占めています。手段ではなく方法でもなく“いかに思うか”ということが大切です。

     先ほども話に出ておりましたが“なでしこジャパン”のあの初勝利も「思い」のなせる業でしょう。奇跡でも起きたかと思いましたが、彼女たちは“絶対に勝ちたい”“絶対に勝とう”との強い意志があったから達成し得たのでしょう。現在、ロータリーでは会員減少が著しく、増強が喫緊の課題となっており、色々な方法が議論されております。しかし、これも方法論ではなくロータリアン一人一人がロータリーに対し“いかに思い”“いかに活動するか”にかかっていると思います。

     社会情勢の変化と悪化に伴い減少傾向に歯止めがかかりません。しかし、ガバナー月信第2号(8月)「RI長期計画は会員減少を止めることができるのか?」で触れているように原点に返ってみるのも必要です。シカゴの4人仲間の友人からスタート、特に中心となったポール・ハリスの心の中にあった思いは、その自伝の言葉の中にいろいろ見出せるが、例会に参加することが幼な心に戻れる喜び、そしてそこで生まれる友愛、裏切られることのない信頼、それは私たちが今でも感じることができる貴いものです。とするならば、社会情勢の厳しい中でこそ、よりその価値が増すものであり、そういった仲間を増やすことに私たちは意義を認めるべきではないでしょうか。

     2003年から2010年の間で勇退した会員120万人で、現在会員数120万人という現状と、この10年間の会員減少率が日本30%、オーストラリア6%、他は数%と、日本の状況に危機感を覚えます。この現状を踏まえ、地区会員増強委員会の佐々木正丞委員長は「会員各人が、最低一人に声掛けを!!」と訴えております。その中で「会員維持の努力傾注に関して、課題があるのではないでしょうか?」と問題提起しております。日本でのクラブライフでの魅力が、本来のロータリーの歓びや誇りとは幾分かけ離れてきているのではないかとの疑念で、「会員の満足度を調査し、クラブの再点検をする必要があるのではないでしょうか」との提案です。すでにこちらのクラブではこのような調査アンケートを実施し、詳細なデータをお取りになっているのを拝見させていただきました。酒井幹事のご努力の賜であり、以前回ってきたクラブにはこれだけ充実した内容のものは勿論ありませんでしたし、今後訪問するクラブにも無いと思われす。いかに千歳RCでは情報が豊富に回っており開示されているかの証明でもありますし、先ほどのロータリー情報も非常にためになるお話でした。

     国際ロータリーでは、停滞を続けているクラブ、RIを脱会したクラブ、危機を迎えているクラブを長期にわたって調査・分析し、「これだけの委員会が頑張ればクラブは必ず蘇生する」という五つの委員会の検討項目を特化して、クラブに示したのがCLPです。クラブの委員会構成を減らすために、また奉仕活動を疎かにして、縮小を狙ったものではありません。但し、年長者は変革に消極的な面もあり、若い世代の協力が必要なことと、先輩・年長会員が暖かく見守ってあげることが必要です。私自身も先般行われた初ガバナーが集まる諮問委員会に出席した時に、反対意見は非常に出しにくい状況でした。しかし、1年間は自分の責任においてガバナーを務め、1年後にはその結果が出るのだという責任感から敢えて異見を唱えて参りました。

     過去数回、国際大会に出席しておりますが、前回のニューオリンズ大会で初めて最初から最後まで参加してきました。エレクトはそうするものだと勘違いしたためでしたが、世界大会の楽しさ、面白さが初めて分かり有意義なものでした。そして地区大会も楽しく有意義なものとなるよう計画しておりますので皆様方のご参加を心よりお待ちしております。以上で卓話を終わらさせていただきます。ありがとうございました。