5月17日(木) ロータリー情報
ロータリー情報・定款細則委員会 福田 武男 会員
今日は、「四つのテスト」の初めの「思いと」がRIが推奨している和訳になぜないのか、それに関連して「手続要覧」は守らなければならないものかというについてお話したい。
我クラブで使用している「四つのテスト」は、何故にRIが推奨している「四つのテストの邦訳」とは文言が少し異なるのか?
○ 「四つのテスト」の公式な邦訳は、いつできたのか?
1954年に手島知健(PDG)RI理事が中心となって「四つのテスト」の邦訳を公募し、70を超える応募の中からRI第60・61区の合同による「ロータリー50周年記念委員会」が選考したもの。それまでは「四つのテスト」の日本語訳は夫々色々な訳し方をして使用していた。
○当選原案(東京RC、本田親男)
四つの自省ー言行はこれに照らしてから
1. 真実かどうか
2. みんなに公平か
3. 善意と友愛を深めるか
4. みんなのためになるか
・・・他の応募案中から一部用語を借りて現在のものになる。
○ どこが公式な和訳と異なるのか?
原文は、「Of the things we think, say or do 」であり、公式和訳は「言行はこれに照らしてから」だが、これでは「think」が省かれている。
「think」こそ大切であり、「言行はこれに照らしてから」という方が口調がいいからと言って、大切な《心の中で考えること》を省いてしまっては原作者の趣旨を無視することになる。
心の中の考えこそ最も大切であり、心の中の考えが正しければ、外に現れる言葉も行動も正しいものになる。即ち邪心を持ちながらいくら言葉・行為が立派でも、それは「偽善」というものである。
(ロータリー研究の日本第一人者:RI2680地区 の田中毅 PDGにもメールで確認し、賛同を頂いた)
それで、「思い」というのが、千歳RCの主流になり、毎年手帳に載せてもらうようになった。
ロータリアンの手引きである「手続要覧」ではどのような記載になっているのか?
第7章 職業奉仕の2ページ目、110ページ、「四つのテスト」の複製と使用のところに、「四つのテストの複製は、すべて上記の形式で作成されなければならない」と、即ちその文言を一字一句とも変えてはいけないと強く要請している。
○ 最後に「手続要覧」は、それほど厳格に守らなければならないものなのか?
ロータリーの憲法である「ロータリー組織規定」即ち・・・国際ロータリー定款、国際ロータリー細則、標準ロータリークラブ定款の3つは、すべてのクラブ・ロータリアンが守らなければならないものだが、「手続要覧」の前半の白いページの部分は国際ロータリー理事会の推奨事項であり、要請事項であるので、絶対に守らなければならないものという訳ではない。
例えば、国際ロータリー会長の年次メッセージは、「ロータリーのプログラム遂行上、最大の重要性を持つものである」「RIテーマは、使用すべき唯一のテーマであって、他のテーマの使用は控えなければならないということにRI地区とクラブの全役員の注意を喚起する」と、かなり強制的に感じる文言で要請・推奨しているが、これとて《要請》である。
ロータリーの主役は、クラブでありロータリアンである。国際ロータリーは基本的には、あくまでも世界の全クラブの情報媒介機関である。
現実には例えば、今でも「手続要覧」に載せられている「奉仕の実践にかかる決議23-34号」を国際ロータリーが完全に無視していることは、ロータリアン誰もがよく知っていることである。