12月2日(木) ロータリー情報
ロータリー情報・定款・細則委員会 福田 武男
今週の火曜日の祝賀会は、大変多くの方に参加していただき、ありがとうございました。今日は、ロータリー情報ということで、四つのテストについてお話しようと思います。
四つのテストですが、本来は英語ですので、分からないことがあった時は原文の英語をもって解釈しなさいということになっています。四つのテストは24個の単語で出来ており、手帳の裏にも書いています。その意味合いですが、アメリカのハーバート・テーラーというシカゴロータリークラブの会長をして、国際ロータリーの会長もされた方が作ったものです。これは、クラブ・アルミニウム製品会社という調理器具メーカーが世界大恐慌の時、1929年に倒産寸前になり、ハーバート・テーラーが勤めていた会社のカーカーという社長にこの会社を立て直して欲しいとの依頼がありました。この時、テーラーはすごいスピード出世でその会社の副社長で、次期社長という立場にあったのですが、3万3千ドルという年俸を捨てて、自分の財産まで投入して、年俸2千ドルでその会社に乗り込んで行って、いろいろな改革を行ったのでした。1932年、アメリカで最大の不況の年だったのですが、この時にこの四つのテストを作ったということです。その時に、会社を立て直すために作った会社の理念、全ての社員が誰でも簡単に覚えられて、商いをする時にいつでもこの条件が満たされるかを確認して、満たされていればやって良いし、どれか一つでも欠けていればやってはいけない、というものが四つのテストだったのです。それをみんなに言って実行して、5年で40万ドルの借金を返して、15年、20年でかなりの額を株主に配当できるようになったそうです。会社を倒産の危機から救ったのがこの言葉なのです。本当にこの原文に書いてある通り、実行すれば会社は倒産しないのだと思います。どこかに緩みがあって、妥協点があって、なかなかそうはいかないのですが、ロータリーの基本はここにある、職業奉仕の原点はここにあるのです。意味については、ここに書いてある通りなのです。彼このように人生を生きて下さいということで、一般社会の倫理を高めるために、世界中にこれが広がっていったということです。ロータリーアンとしては、やはり原点は会社を幸せに、順調にやっていくためのキーワードだったというところです。日本の訳文だけ見ると、なかなか見えてこないのですが、原文と照らし合わせてみると分かると思います。
ハーバート・テーラーがこの言葉をどこから思いついたのか、机の前で頭を抱えていると、自然に手が動いてこれが書き出されたということですが、彼は敬虔なクリスチャンで聖書をほとんど暗記していたそうで、そのことにより思いつくことが出来たそうです。これは、旧約聖書の「エレミヤ書」第9章ですが、これを最後に紹介したいと思います。
主はこう言われる、「知恵ある人はその知恵を誇ってはならない、力ある人はその力を誇ってはならない。富める者はその富を誇ってはならない。誇るものはこれを誇りにせよ。すなわち、さとくあって、私をしっていること、私が主であって、他に、いつくしみと公平と正義を行っている者であることを知ることがそれである。わたしはこれらのことを喜ぶ」
こういう文章が「エレミヤ書」第9章の23から24節にあるそうです。この「いつくしみ」は「好意と友情を深めるか」と「みんなのためになるかどうか」ということになりますし、「公平」は「みんなに公平か」ということになりますし、「正義」ということは「真実かどうか」ということになるようです。今日のポイントは、四つのテストは仕事のために我々は唱えているのだということです。自分の天職を日々実践していく時に守るべき指針であることを肝に銘ずるべきなのです。