2月24日(木) ロータリー情報
ロータリー情報・定款・細則委員会 福田 武男
さて、先日の例会で話し合われました長期目標プロジェクトの中で、四つのテストを一般社会に広めるとの話がありましたが、この四つのテストの意味を誤解の無いように改めて理解した上で行った方が良いと思っています。
四つのテストの冒頭に「言行はこれに照らしてから」という文がありますが、これに「思いと」という言葉が入っていることに先輩諸兄は気付かれていると思います。この「思い」というのは、私が村松年度の幹事の時に入れたものです。なぜかというと、英文では “of the things, we think, say or do” となっており、”think”、「思い」という単語が入っているのです。これを「言行は」と訳すと、”say or do” だけとなり、”think” が入ってこない。これはどのように解釈すれば良いのかと昔考えたことがあります。兵庫の第2680地区の田中毅先生というロータリーの研究を行っている方に何度かメールで問い合わせた事があり、この件についても聞いてみました。すると、この解釈は非常に難しいが、無理があるのではないかとのことでした。「言行は」という中に「思い」が入ってこない、「思考」が無いのは良くないのだけども、1954年から国際ロータリーでハーバート・テーラーの許可をもらって、要綱として使われていますが、東京クラブの本田親男さんという方の訳らしいのですが、それがずっと使われてきています。やはり、この「思い」がないと調子が悪いということです。何で「思い」がないとだめなのかというと、昔も紹介しましたが、テーラーの「我が自叙伝」の中に、「良かれ悪しかれ、人間の思考には大変な力が備わっている。四つのテストは私たちの考えを正しい方向へ導き、そうすることによって私たちの言動に強い影響を及ぼす。考えていることは、知らず知らずのうちに必ず行動に出てしまうものである。私たちが今考えていることは、今日の私たちのみならず、明日の私たちに対しても非常な影響を与える」 「私たちは人の悪い所だけ見がちである。良いところを見つめてそれを伸ばしてあげることは非常に難しいのである。四つのテストは人々の良いところをますます良くするだ。そして正しい言動の前提になる思考力を磨く」
「このように、考えるということは非常に大事です。そこで、どうやって訳すかと思ったのですが、「思考」というのでは硬いということで、結局は「思いと言行は」というのが一番スムーズな解釈だろうということになりました。この解釈は田中毅先生も賛同していただいています。
ところが、問題があって、手続要覧を調べてみますと、110ページに職業奉仕の欄があって、その中に四つのテストという項目があります。そこでは、複製・使用の項目があって、四つのテストを地域に広めるときには2つの条件があり、1つは一言一句も変えずにこのままで使うこと、もう1つは出したクラブの名前を下に入れるということが条件となっているのです。理事会の推奨ということでいうことで、法律ではないのですが、一応は禁止されていることで、”think”の文字が入らずに「言行はこれに照らしてから」という訳を仕方なく使っているというのが現実です。それを、10年くらい前の私が幹事の時にちょっとひねって変えたというのが実情です。
これから地域社会に向かって四つのテストを活用しようということで、次年度以降に行うということであれば、もう一度いろいろ審議しながら検討した方が良いのではないかと思い、情報とさせていただきます。