• 5月13日(木) 会員卓話「馬主業」…壮大な無駄遣い

    健康委員会 委員長 長澤 邦雄


    健康委員会の担当ということで、浅沼先生に卓話をいただきます。皮膚科の先生ですが、今日のテーマは「馬主業…壮大な無駄遣い」で、健康とはあまり関係ありません。先生は馬だけでなく牛もやっており、ススキノやウトナイ湖の道の駅に「一頭」というお店を出しています。何が本業か分からない浅沼先生の卓話を、聴いてください。

    健康委員会 浅沼 廣幸


    皆さんの年齢を考えると、いまさら健康のお話でもないと思い、競馬と馬主のお話を聞いていただきます。北海道、特に千歳は馬と関係が深く、隣接する胆振振興局と日高振興局で日本の軽種馬の大部分を生産しています。

    競馬の仕組みですが、大きなレースを日本中央競馬会(JRA)が主催、いわば胴元です。その組織は農林水産省管轄で、天下りがトップに就き、関連企業がぶら下がっています。レースの開催など詳しく法律で決められ、馬主になるにも資格が必要で審査があります。年収が3000万円以上で、一定の資産がなければなりません。警察OBが審査に当たり、犯罪歴など

    や家族の状況、近所の聞き込みもされます。日本の馬主はピーク時には4000人いたのですが、現在は2500~2600人です。

    レースにより賞金が出ますが、馬券の売り上げの75%が配当に回り、残りから賞金やさまざまな費用が出ます。馬主には税務署が事業として課税します。売り上げとなる賞金で利益が出ると税金を持っていきますが、赤字になっても面倒は見てくれません。

    ※浅沼会員はこの後、賞金の配分の比率などを具体的な金額を挙げて詳しく説明しました。しかし、馬券の売り上げが伸びない状況や、掛かる経費と賞金とのバランスで衝撃的な数字が出てきます。また、諸外国の競馬の状況なども説明し100の投資に対し、日本は80、欧州は50。ただ、欧州は名誉や大金持ちということ

    です。馬主が儲けているのは、韓国で100に対して138、香港も110ということです。だが、こうなると利権であり、馬主になる審査がさらに厳しいそうです。浅沼会員はアイルランド、フランスの馬主になったこともあったそうですが、あっという間の採算割れで撤退したそうです。結論として馬主業はハイリスク・ノーリターン。いわゆる「夢とロマン」ということになるのだそうです。生産者も、社台グループのような大規模なところは別にして、小規模零細なところは馬の餌代のこともあり、大変な状況だそうです。競馬場に出られるのは5頭のうち4頭、競馬場に出て勝利できるのは5頭のうち1頭と、大半は一度も勝利せずに3歳という年齢制限により去るとか。事業とは言いつつ、収支は成らず、負けに目をつぶり、勝ったことを覚えているものだそうです。

    データによると、浅沼会員は20年間で1着31回、2着37回、3着34回、着外852回だそうです。賞金総額4億5295万5千円。経費については、絶対に合わないハイリスク・ノーリターンだそうです。勝利を追う本能的なものを満足させたい、夢とロマンやいろいろな出会いということになるのだそうです。