• 9月16日(木) 佐々木ガバナー挨拶

    国際ロータリー 第2510地区ガバナー
    佐々木 正丞 様

    私がお話を申し上げたいのは、世界のロータリークラブのお話が一つ、そして当地区の私の年次での皆さまにお願いしたいことが一つ、そして最後に来月の16、17日の地区大会に是非ご参加をお願いしたいというお話です。

    皆さまにお配りしたリーフレットは、当年度のRI会長はレイ・クリンギンスミスさんの考えが簡単にまとまっており、お話ししやすいと思いお配りいたしました。冒頭、ロータリーとは何か、ロータリークラブとは何をする団体かという問いかけから始まります。この方は100年に亘るロータリーの会長さんのテーマを全て検討した結果、皆さんはいろいろ良いことをおっしゃっているが、ただ1点触れていない点がある、それは、ロータリアンに対してしかものを言っていないという点だそうです。

    この方がおっしゃているのは、ロータリーとは何かということをロータリアンであるあなたがロータリーアン以外の方にどう説明するかということです。ロータリアンでない人と一緒にエレベーターに乗って、そのエレベーターを降りるまでの間に、その説明がちゃんとできすかという問いかけから、この方の話が始まるのです。この方の自信というか、ロータリー観というのは非常に自信に満ちておりまして、この方は当地区のRI理事でありました伊藤義郎さんと同時期に理事をされていた方で、国際ロータリーの世界にかなり若くして登場しているということがお分かりかと思います。この方の哲学を申しますと、「私たちは地元地域社会の精神とリソースを育んでいます」という文章があります。この文章の意味を考えると、地元社会の精神を育んでいる、というのは私も分かります。地元社会のリソースを育んでいる、リソースという言葉は、日本語で言うと倉庫の様なものでありそこから何でも引き出せるというような意味の言葉ですが、地域に対してロータリーが供給する側であるということを示した哲学でございます。その結果、この方のテーマは、「地域を育み、大陸をつなぐ」ということになりました。「地域を育み、大陸をつなぐ」という日本語の文章は、特に変わった点は見えません。だが、実際は先ほど言いましたように、大変な自信に満ちた言葉です。育むということですから、育成する、育てるという意味がありますが、もともとは building です。地域を作れといっておられるのです。私どもは、通常、地域に育ち、その地域の恩恵を受け、仲間入りをして親睦を保って、何とかお役に立とうかという感覚でありますが、この方は、地域を作れと言っているわけです。ロータリーが強ければ、その地域は強い、ロータリーが弱ければその地域は弱くなる、ということをおっしゃっていました。私は、通訳を通じてですが、その言葉を直接聞きました。すごい自信だなということを感じました。そのテーマの下にあるのが、ポリオと青少年に関する問題です。この方は、今年度会長賞を下さるそうで、この裏にあります、クラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕の4つの項目について、各50点満点で、計200点、これを各クラブからRI会長に提出すると、賞がもらえるということですが、そのことよりも何よりも、この方が考えておられる、ロータリーの奉仕とはこういうものだということを皆さんに是非目を通していただきたいと思います。ここまでするのかという難しい条件もあります。ただし、これはクリンギンスミス会長が言った奉仕の条件であります。皆さまが具体的にどのような奉仕を行うかは、皆さまが決めることです。ちなみに、クリンギンスミスがおっしゃっていたのは、世界のロータリーで一番の決定権を持っているのは、クラブの会長であり、RI会長ではないということです。確かに、RI会長は佐藤パストガバナーのお話を聞きましても、5日間トイレ休憩しかないような過酷な審議会がありますし、理事会もありますから、そうそうRI会長の思う通りにはならないでしょう。各クラブの会長は、理事会はありますが、かなりのことができます。

    次に、私の年次の目標を申したいと思います。一つ目はクラブ・リーダーシップ・プラン(CLP)について、二つ目はその地域に一番密着した最適な社会奉仕を行うこと、三つ目は財団、ポリオについてです。

    最初のクラブ・リーダーシップ・プランでありますが、当地区は非常に遅れております。ここに来て感じましたのは、クラブ・リーダーシップ・プランは既に済んでしまったとはいいませんが、かなりいいところまで来ていると思います。そもそも、ロータリーが100年を迎えます前にいろいろ脱皮しようと考え、財団の改革も進行中で、クラブ・リーダーシップ・プランもその一つです。もっとも典型的な例が、ポリオをRIの目的として取り上げたとういことも、この100年間の大きな動きだったと思います。CLPというのは、日本で、特に2510地区では遅れております。だいたい、日本でも7割くらいだと思いますが、2510地区ではまだ10%台だと思います。なぜこのように遅れたかという理由は、若干の意味の取り違えがあったのだろうと思っています。クラブ・リーダーシップ・プランというと、職業奉仕の魂が無くなってしまう、ロータリーで無くなってしまう、という物言いが聞かれますが、クラブ・リーダーシップというのは、まずビジョンを作り、そのビジョンに基づいて、1年、2年、3年かけてその方向に持っていきなさい、ということです。ついこの間の7月に、ロータリーは新しい長期計画を出しました。私どもも、7月の長期計画に基づいて、CLPを作るわけです。この、長期計画とか、CLPという言葉の翻訳のニュアンスが、若干違いまして、この点も皆さまに申し上げたいのです。リーダーシップ・プランというのは、日本語に近いので何となくわかったような気がしていますが、日本語で言うリーダーシップというのは、非常に強い意味で、上下、縦の関係が感じられます。英語言うリーダーシップ・プランというのは、自発的に自ら動け、100年間も標準細則という箱でやってきたが、それを脱皮して、自分のクラブ用のものを作れと言っているのが、クラブリーダーシッププランであります。ちょっと、日本では誤解があったようでありますし、ロータリーの長期計画というのは、数字は一切ありません。ですので、長期計画という意味も、日本語でもっと分かりやすく言いますと、長期構造計画、あるいは長期戦略、あるいは長期ビジョン、一言で言うとビジョン、ビジョンを作りなさいということです。もっと違う言葉で言うと、あなたのクラブはどのようなクラブを目指しますか、あなたの地域ではどのようなクラブであってほしいと思いますか、という問い掛けがありまして、それに基づいて、あなたのクラブを会長権限で、一番適したように作り直しなさい、というのがCLPの本当の意味です。かなり、日本では誤解があるというか、この地区では誤解があったようです。これを是非皆さまに、お願いをしたいと思います。さきほどのクラブ協議会では、このクラブではこれから検討するとおっしゃいましたが、協議会の内容を聞いていますと、いろいろな委員会ができていますので、すでにその意識はこのクラブに入っていると思います。特にこの地域の千歳セントラルクラブさんは、かなり進んだ考えを持っています。特に感銘を受けたのは、ビジョンを常に見直すとおっしゃったことです。企業で言うと、長期計画も、どこかの国の憲法のように何年も変えないというようなバカなことはありません。常に見直す。孔子が朝令暮改と申したのは、これもかなり誤解がありまして、朝つくったことでも夜には見直すべきだということなのですが、日本ではネガティブな受けとめかたをされています。本来長期計画、ビジョンというものは、常時見直すという態勢を作るべきであるというのが本来ですが、とりあえず100年間で溜まったあかをここで見直して下さい、というのがクラブ・リーダーシップ・プランの本来の意味です。私は、地区のリーダーシップ・プランという箱も作りました。各73クラブの会長さんは、ここと良く連絡をとって、よそと一緒ということではなく、独特のものを作ってもらいたいと思います。ここで、クラブの大改造をやってもらいたいと思います。

    二つ目は、地域に密着した社会奉仕活動をやってほしいということです。当たり前のようなことですが、私は札幌西クラブの坂崎さんという委員長さんから、全73クラブの奉仕活動を受け取りましたが、見るたびに誠に面白くないような書き方でございます。これでは、感動がないと思いました。私は43クラブに行ってきましたが、各クラブでは8割方感銘を受けました。これがロータリークラブなんだ、実際にこういう楽しいことをやっておられるんだ、こういう風に役に立っているんだということを、強く感じたことに比べて、ただ事実を列挙した報告は、もうちょっと面白く、急きょ書き直しています。それを見てから、どうぞ真似をして、面白いクラブを作ってもらいたいと思います。今、日本では、説明不可能な社会学的現象というか、社会の収縮、減少が起きています。皆さんもご存じだと思いますが、どういうわけか、体力が落ちており、学力も落ちています。そして、ロータリーに限らず、いろいろな所で委縮した現象が起きております。これはなぜなのでしょうか。日本はなぜ、このように沈没とまでは言いませんが、いろいろなことが起きているのはなぜでしょうか。昔の日本人とは違った人種ができつつあるかのようです。マージャンもしない、酒を飲みにも行かない、上司が一杯どうだと言っても、拒否されてしまいます。このように、日本で収縮が起きておりますが、我々ロータリアンが、面白いことをやって、人を集める。ほとんどの、社会は縦割りになっております。学校が同じだとか、趣味が同じだとか、職業が同じだとかです。それに比べて、我々は社会をスパッと横切りにしています。言いかえれば、全ての職業を持っている、全ての知識を持っているわけです。これで、社会の役に立たないわけがありません。どうか皆さん、自信を持ってそういうクラブを作っていただきたい、というのが二番目のお願いす。

    三番目は、財団のことです。財団についても、日本では誤解というか、若干ニュアンスがちがうという感じがしております。例えば、寄付です。寄付は英語では、contribution と申しますが、日本では、また取られるのか、割り当てか、というネガティブなトーンがつきます。そもそも、社会的ななりたちが、狩猟民族と、農耕収穫民族との違いから来たのだと思います。西洋人は、寄付をしますと拍手喝さいを受けます。その代わり、あまり社会保険というか、国が手厚く面倒をみるということはありません。その代わり、寄付に関しては、アメリカでは優遇があります。税額免除などもありますので、税務署に払うよりも、ロータリーに払って拍手喝さいを受けるという考えがあります。私がポリオを取り上げたのは、日本人が取り上げて、世界のロータリーに働き掛けて取り上げられたからです。10年前にOKといったことに対して、また出せと言うのかと話も聞きますが、どうも今回は成功するようです。

    世界的にも地区大会はショーのようになっているようですが、パストガバナーからもおしかりを受けて、勉強をする真面目な大会をやれということで、今年度の地区大会については、ロータリーを論ずる地区大会をやります。札幌でやる地区大会は駄目だというお叱りも受けていますが、一生懸命やりますので、どうぞご参加をお願いしたいと思います。古川ガバナー補佐も壇上に上がりまして、みなさんをご紹介します。また、昔の美人も二人揃えました。どうか、地区大会に参加されて、勉強されて帰っていただきたいと思います。

    どうも本日はありがとうございました。