9月11日(木) 健康委員会 卓話
講師紹介 健康委員会 PC 中山 和朗 委員長
皆さん、こんにちは。本日は大変お忙しい所、佐藤先生にお願いしまして来て頂きました。有り難うございます。本日の大雨で出席者が減るのを危惧していましたが、少し増えてほっとしました。天気が良かったら、と思うと残念です。本日の卓話は認知症についての卓話です。「明日は我が身」と捉え、拝聴頂くようお願いします。よろしくお願いします。
卓話:医療法人 資生会 佐藤 正俊 様
①ご挨拶と認知症の現在の状況について
皆さま、こんにちは。今日は地域の指導的な立場の皆様の前で講演をする機会を頂き、誠に有り難うございます。特に、長澤先生には、いつも医師会などの行事などでもご指導頂き、誠に有り難うございます。認知症というと厚生労働省の中でも非常に力を入れている分野の一つとなっています。本日は「認知症の始まりと介護保険サービス」という事でタイトルを付けさせて頂きました。
2012年の厚労省の届出では460万人の認知症の方がいます。2002年の統計で2015年には360万人位の予想をしていましたが、10数年経って既に460万人であり、予備軍が400万人いまして65歳以上の人口の15%が認知症になるだろうと予測されています。「認知症とは」病気として扱っているので、日常生活で障害を起こしている状態、物忘れ、本来出来ていた事が出来なくなる、誰かの助けが無ければ一人で生活出来ない状況になりつつある人、又は、なった人。介護保険の自立度は5段階中ランク2といわれる方が65歳以上の人口の10%と言われています。千歳市では若いと言われる町ですが老齢化率約20%と言われ認知症の患者さんは約2,700人位といわれ、一人で暮らせない方が約2,000人、認知症になりつつある方を含めると約5,000人になります。
※当日の卓話のスクリーンショットです。認知症患者さんの手記やご家族へのアンケート結果となっていますのでクリックしてご覧下さい。
②認知症の治療法について
治療法としては薬を飲む事も一つですが、この場合、あくまで記憶力を保つという薬で、これでどんどん良くなっていくとは限りません。薬を飲む事も大切ですが、私が外来でお話しているのは、それ以上にデイサービス等に参加する、また、介護保険を受ける、今までやっていた事があればそれをやってみる。楽しい事を続ける、新しい事をするのは難しいが、以前していた趣味等楽しみがあればそれを続けて頂く、それから、家族の時間を大切に家族との絆を深める事が薬の何倍もの効果を出している例を今まで見てきました。何か問題があった時には鑑別診断と他に家族の指導薬物療法以外の治療法などについて相談指導等を行っています。
※認知症の理解について認知症の症状・種類についてなどのスクリーンショットです。
③私の原点
平成3年頃、「約20年前」になりますが、地方で訪問診療をしていまして、その時の患者さんが元気が無く毎日病院に来ていました。歩行を10分位して頂いているとだんだん元気を取り戻してきました。この事がきっかけで、自宅の一部を改造し、デイサービスを行いました。当時50人規模のデイサービスが流行っていました。私の所は自宅の居間を改造した広さでしたが、一緒に畑を野菜を植えたり、料理を作ったりし、家に居て何もしない、あるいは大きな施設で沢山のお金を掛けて治療する事より、家庭的な雰囲気の中で生活していく、こうした一緒に過ごしながらの生活が良い方向へ向う事がよく分かりました。親族やご家族の方がもし認知症になったとしても、駄目だと諦めないで色々な機関に相談し、対応して貰い、家族の絆を大切にして認知症についてのお話と相談を早目にして対応して頂ければ豊かな生活や平穏な終末を迎えられて家族との絆も更に強める事が出来ると思います。本日は大変有り難うございました。
※デイサービス化したご自宅と、患者さんに歩行して頂いた廊下の画像です。
謝辞・記念品贈呈後、藤本会長と記念撮影される佐藤先生です。お忙しい中、有り難うございました。