• 8月28日(木) 出席管理委員会卓話「地域に育てられる教育活動」

    紹介:出席・資料管理委員会 伊藤 一三 委員長

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    皆さん、こんにちは。本日の例会担当の出席・資料管理委員会、委員長の伊藤です。よろしくお願いします。本日の卓話は、北海道千歳北陽高等学校の吉村 恭子 校長先生にお願い致しました。先生は学校の経営はもとより、町内会など地域の行事にも積極的に参加され、バイタリティーのある活動をされています。本日はその数々のご経験により感じていらっしゃる事などをお話し頂く事により、私たちロータリーの活動にも参考になる事が沢山あるのではないかと思っております。

     

    吉村先生の主なご経歴は以下の通りです。

    ・昭和29年4月生まれ 札幌市出身

    ・日本女子体育大学ご卒業

    ・最初の勤務先は釧路管内 白糠高等学校で、その後、教員として数か所の学校に勤務後

    平成15年 長沼高等学校 教頭

    平成16年 北広島西高等学校 教頭

    平成18年 月形高等学校 教頭

    平成21年 洞爺高等学校 校長

    平成23年 津別高等学校 校長

    平成25年 千歳北陽高等学校 校長 に就任され、現在に至っております。

     

    本日のテーマは「地域に育てられる教育活動」となっております。最後までどうぞよろしくお願いします。

     

     

    ご挨拶:北海道千歳北陽高等学校 校長 吉村 恭子 様

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    皆様こんにちは。生徒の前で話すのとはちょっと違い、少し緊張しています。貴クラブの伊藤一三様からお話がありまして、この場におります。いろいろな部分で「どうかな?」と考えましたが、日頃から生徒達に「チャレンジせよ!何事にも挑戦だ!!」と言い続けている私が後ろ向きでは駄目だ!と思い、参りました。こんな風に地域の子供たちを育てたい!と言う思いを少しご理解していただき本校の応援団になっていただければと思いお話いたします。よろしくお願いいたします。

     

    私、この様な感じですが保健体育の教諭をしていました。「えっ!」と思われるかもしれませんが、学生時代はバドミントンをしていて、中高一貫の女子高から、友達がいるという乗りで3名が日本女子体育大学に入学しました。もう1名も北海道の短大体育科に入学しました。当時、女子高から4名も体育大学に行く事が珍しく、高校の同窓会でも「伝説の人」になるね、などと話も出ていました。

     

    大学を無事卒業し、昭和53年に最初の赴任先が道東の白糠高校でした。教諭で3校25年、教頭で3校6年、校長で3校6年目です。初めて校長になった洞爺高校は家庭科の専科でした。そこで、家庭科の調理実習で作ったものを生徒が地域の方々に試食してもらい、コミュニケーションを取るようにさせました。最初遠慮がちだった生徒達も質問をされているうちにきちんと対応できるようになり、理解も得られるようになり、地域とのコミュニケーションも始まりました。他にも評判があまり良くなく、地域の方々から苦情が耐えない高校に行ったことがありましたが、地域のためにやれることはないかと、やる気のある生徒を募り、地域とのコミュニケーションを図ってきました、その高校も今では地域の評判も上がり、コミュニケーションも取れています。

     

    千歳北陽高校は開校42年目で全日制普通科高校フィールド制4年目になります。フィールド制は、普通科の高校で生徒の様々なニーズにこたえるため一定のまとまりのある分野(フィールド)の選択科目群を設定し、生徒が選択して学習できるようにするシステムです。1学年では、将来の進路等を十分考慮してフィールドを選択できるようガイダンスを行い、2学年以降にフィールドを選択します。また、本校では人間環境、人文探求、社会情報探求の3つの探求フィールドがあります。

     

    本題に入りますが、地域の学校としてまず、地域町内会との交流をしています。町内会の総会に出席し、いろいろなご意見などを聞き、それを生徒に伝えて意識を持ってもらい、地域とのコミュニケーションに役立てています。町内会のふれあいカフェにも参加させてもらい、七夕まつりや高齢者との交流などをしています。

     

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    ※当日の配布資料に添付されていました写真です。

     

    次に千歳JAL国際マラソンへの全員参加です。10数年前に当時の教員が「千歳北陽高校ルネッサンス」を立ち上げ、以来千歳JALマラソンに参加を続けています。10キロが基本ですが、フルやハーフに参加する生徒もいます。

     

    3点目が、千歳科学技術大学との「高大連携」です。全道でも早い時期からコンピューターを使っての学習を取り入れています。科技大は現在、全道で53の高校と連携しています。大学には学習支援もお願いしています。

     

    PTA活動の充実も重要な課題です。小中学校ではPTAに熱心でも、高校ではもういいという方もいます。当校では学校祭のPTAバザーに父親の参加が目立ちます。呼び込みやパンフレットにもカラーにするなど工夫して、参加率向上に努めています。

     

    資料2

    ※PTAバザーの様子です。

     

    つい先週、全国高等学校PTA連合会福井大会がありました。伝統産業のまちですが「ものづくりの国、匠の技は次代へ」のテーマで伝統産業経営者が職人をどう育てるかというお話がありました。育てるときは良いところを見抜き、ほめることで、やる気を出させて、思いやりや責任感を持たせるのが大切と話されていました。

     

    生徒も、ほめるとやる気が出ます。「元気・やる気・勇気」は自ら生み出すものです。今は何か言われると他人のせいにしたり、自分が主役でないと面白くないという生徒が多い状況です。周りに流されないように、やる気、勇気を与えることが大切です。自分の教科に熱心なあまり、その教科を嫌いにさせている先生がいます。こんなこともできないのか、だめだと叱るより、いいところを見つけてほめることが大切です。

     

    学校経営には、教職員との協働、参画と情報の共有が必要です。コミュニケーションが大切です。この会場でいいものを発見しました。「どこで会っても やあと言おうよ 見つけた時にはおいと呼ぼうよ 遠い時には手を振り合おうよ」。素晴らしいなと思いました。ぜひ、こういう形で具体的に話ができたらいいと思います。やる気を引き出し自信を持たせるには、言葉だけで終わらせず具体的な形を示すことだと思います。

     

    学校案内・情報の公開ですが、ご覧の通り活動内容を公開し、千歳JALマラソン参加などホームページも随時更新しています。千歳民報にも沢山の資料を載せて頂きました。そして説明責任ですが、苦情の連絡などがあった場合、言葉だけで終わらせないように、素早く顔を見せる対応をするようにしています。

     

    生徒会・部活動の充実ですが、全国大会出場、高校総体でレスリング・ボクシング・水泳の3種目に出場しているのは石狩管内でもあまりありません。マーチング大会(吹奏楽)等 演劇部も全道大会などで活躍しています。

     

    生徒会活動は、執行部中心の積極的活動と情報発信をしています。駄目出しではなく、自分たちで行い反省点を解決していく姿勢が見られるようになりました。

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    ※当日の配布資料(学校案内・キャリア発達に応じた普通科フィールド制実践報告書)の表紙写真です。

     

    当校は「夢かなう 進路目標の実現」を目指しています。普通科の高校として、全道ナンバー1の就職希望者数になりました。昨年は150名の就職が決定しています。そのために進路目標達成に向けた取り組みとして外部講師やハローワークなど関係機関との連携をしています。地元就職先の開拓もしていますので、企業が望む生徒について、どんなことでも言って頂き、こんな生徒が必要、こんなのは駄目などとはっきり言ってもらい、それを生徒に伝えて、改善するところがあれば改善します。「千歳の子は千歳で育てたい」と思います。地域の皆様の応援を、よろしくお願いします!最後ですが、先ほど話した中学から大学まで10年間一緒に過ごした親友が千歳出身で、今でも声を掛けてもらっています。千歳という素晴らしいまちに住まわせてもらい、あと半年ほどで退職ですが、よろしくお願いします。本日は、ご清聴ありがとうございました。

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    ※講師の吉村校長へ藤本会長より記念品が贈られました。