• 2月6日(木) 千歳市長 山口 幸太郎 様 卓話

    進行:大澤 雅松 幹事

    卓話進行

     本日の卓話講師、山口 幸太郎 千歳市長をご紹介します。地元の千歳市出身、昭和17年4月10日生まれで私(大澤幹事)と同じ午年・牡羊座です。千歳中、千歳高から明治大学を卒業。地元の株式会社三美(みよし)代表取締役社長を昭和50年から平成13年まで務め、その間に千歳市議会議員を2期、北海道議会議員3期を経て、平成15年、千歳市長に初当選し、現在は3期目の3年目です。趣味は囲碁、歩くスキー、ウォーキングと書いてありますが、もう一つ、ゴルフもあるのではないかと思います。好きな歌は「赤いハンカチ」「あこがれのハワイ航路」で、機会があれば是非聞かせて頂きたいと思います。千歳RCには昭和59年から平成15年まで19年間在籍しておられ、現在は名誉会員でございます。本日は「みんなで『夢、実現』・千歳市のまちづくり」と題して新年度へ向けた施策などをご紹介頂きます。

    卓話:千歳市長 山口 幸太郎 様(千歳RC名誉会員)

    卓話1

    『みんなで『夢、実現』・千歳市のまちづくり』

     皆さま、こんにちは、今日はお招き頂いて有り難うございます。私は以前19年間千歳RCに在籍していまして、在籍中一番思い出に残ったのは、ポリオ委員長時代にポリオを撲滅しようという事でやっていた事が一番印象に残っています。退会してから大分経ちますが、毎回お招き頂き大変嬉しく思います。当時と比べると、私と一緒にやっていたメンバーが沢山おられる事は変わっていませんが、新しい会員の方も入り、特に若い女性が入った事も良いですね。また、当時は友情の握手タイムはありませんでした。握手をすると非常に和やかになりますね。皆さまの今年一年のご活躍を心からお祈り申し上げます。

     先程申し上げましたように、RCに19年居まして、その前には青年会議所に13年居ましたから、61歳位まで社会活動をずっと勉強させて頂きました。その間、色々な人と出会い、人間関係を構築しながら人間開発や社会開発の勉強をさせて頂きました。私が市長になってから、まちづくりのベースになっているのがRCや青年会議所時代の経験です。役所に入って一番感じた事は、市民の皆さんの価値観や考え方が千差万別だという事を、行政という職について一番感じます。今一番の課題として千歳市の人口95,500人程おりますが、その方々の市民として、国民としての生活の権利を守りながら、尚且つ生活を高めていく、そういう仕事をどのように進めていくか、行政としての縛りはありますが市民の皆さまの事をいつも考えながらやっていかなければならないと思っています。今まで政策的なお話をさせて頂いておりましたが、今日は具体的な事業についてお話していきたいと思います。

    プレゼン題名

    ※プレゼンテーションの題字画面です。

    以下、卓話の概略です。

     卓話の前段では、千歳市の人口の推移や転出入の状況について、プレゼンテーション画面を見ながらご説明されました。内容に関しましては、以下の画像をご覧下さい。(クリックしてご覧下さい)

    プレゼン(人口) プレゼン(人口)2 プレゼン(人口)3

    プレゼン(転入出) プレゼン(人口推移) プレゼン(出生率・自然増加)

    プレゼン(年齢階級別人口) プレゼン(昼夜人口比率)

    ~重点施策について~

    プレゼン(重点施策) プレゼン(重点施策)1

    ※以下、項目毎の概略となります。

    1.空港について~民営化、24時間運用等

     国管理空港の経営改革について、国は「民間の能力を活用した、国管理空港の運営等に関する法律案」を昨年3月に国会へ提出しましたが、11月の衆議院の解散に伴い、廃案となった所です。この事から、現在、国からは「空港経営改革の実行方針」などについて示されていない状況にあり、国の考え方や、具体的な検討を進める為の条件などが不透明となっております。市としましては、引き続き国や北海道の動向などに注視し、情報収集に努めると共に、今後とも新千歳空港が北海道経済の活性化に欠く事の出来ない国際拠点空港として、地域と共に発展出来る運営の実現に努めて参ります。

     新千歳空港の24時間運用枠の拡大については、北海道からは平成25年度を目途に地域協議会に提案するとしております。市としては、地域協議会と勉強会を開催するなど、意見交換を深めて行くと共に、北海道から必要な対策が講じられる事を前提として、地域協議会と引き続き話し合いを進めながら積極的に取り組みます。

    2.自衛隊について

     「自衛隊体制強化」であります。昨年末の衆議院議員総選挙により政権交代が行われましたが、新政権は公約に基づき、防衛力の強化を図る事とし、新しい「防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画」を平成25年末までに策定する事としており、新政権が自衛隊の削減・縮小の流れから、自衛隊の増強へと転換したものであり、大いに期待するものであります。またこの事は、私達がこれまで行ってきた「自衛隊の体制維持・拡充」を求める活動を更に発展させるものであります事から、今後の活動も政府の政策と協調し、「自衛隊の体制強化」を求める内容にしたいと考えております。この際、市内に所在する部隊についても引き続き維持されるよう強く求めていくと共に、「北海道自衛隊駐屯地等連絡協議会」及び「千歳市における自衛隊の体制維持を求める期成会」と連携を図り、引き続き自衛隊と共存共栄するまちづくりを進めて参ります。

    3.救急医療体制について

     救急医療体制については、医師不足などにより救急当番医の調整が依然として難しい状況にある事から、市内開業医の協力の下、救急外来診療時間を深夜0時までとする当番制を維持すると共に、「ちとせ健康・医療相談ダイヤル24」による電話健康相談を継続し、適正な救急医療の啓発に努めます。

    4.バス路線について

     公共交通については、交通ネットワークの充実を図る為、引き続き、市内におけるバスサービスのあり方の検討を進めて参ります。また、バス事業者及び地域、学術研究機関と協働して、利用実態調査等を実施しておりました向陽台のバス路線については、調査研究結果に基づいた実証運行に向けて関係機関と調整して参ります。

    5.事業について

     本市は、幸いにも自衛隊の駐屯や精力的な企業誘致の取組などにより、生産年齢人口が占める割合が高く、北海道において人口が増えている数少ないまちであります。しかしながら、我が国の人口は既にピークを超え、長期の人口減少過程にあり、本市も近い将来には人口減少の局面に入る事が、国の機関による統計資料などで予想されている所であります。人口はすなわち市民力の量であり、今後の「まちの活力」に大きく影響する要素であります事から、これまでも特に生産年齢人口の維持・増加に重点を置いた施策展開が有効であるとの考えから、本市の持つ特性や優位性を活かし、「自衛隊体制強化」と「企業誘致」について取組を進めて参りました。「定住促進」については、全国の都市に共通する課題であり、都市間競争の側面もありますが、今後、まちの魅力などの情報発信や移住された方々へのフォロー体制など、有効な対策について全庁的な検討を進め、取組みの強化を図って参ります。

    6.北栄・新富地区に子育て支援センター「元気っ子センター」を開設

     学童クラブでは、土曜日及び長期学校休業日の開所時間を午前8時30分から午前8時へ繰り上げると共に、障がい児の受入学年を4年生まで拡大し、共働きや障がい児を持つ世帯への支援に努めます。地域子育て支援センターでは、地域全体で支える子育て支援を目指し、利便性の高い情報提供や利用者ニーズに基づいた各種支援事業を実施すると共に、育児サークル支援やボランティアの育成、ちとせ子育てネットワーク会議の開催など、関係機関及び市民団体との連携により、子育て環境の充実に努めます。

    7.スポーツセンターリニューアルについて

     スポーツセンターリニューアル事業につきましては、利用者の安全性や利便性の向上を目的に、耐震補強やバリアフリー化などの改修工事の他、設備機器の充実に努めます。

    *8月のリニューアルオープン記念として千歳市出身の元大関千代大海関のご提案で、来夏に大相撲が開催されるそうです。

    8.教育面について

     教育につきましては、教育委員会との連携をこれまで以上に密にし、本市の未来を担う子供達の学力向上や、豊かな心の育成と合わせ、本市の特性を活かし、国際理解を深める教育や、豊かな自然環境を活用した授業など、様々な学習機会の充実を推進して参ります。学校環境の整備については、北進小・中学校、東小学校及び東千歳中学校の耐震改修工事を実施します。これにより、計画していた小・中学校の工事が終了しますが、引き続き学校施設の安全性向上の為、講堂を対象として非構造部材の耐震化に向けた調査を実施します。

     また、市内小中学校に設置している特別支援学級に通学する児童生徒の増加に対応する為、本年4月に祝梅小学校、富丘中学校において新たに特別支援学級を開設し、教育環境の充実を図ります。また、北海道千歳高等支援学校が本年4月に開校する事から、今後は小・中・高が連携した、特別支援教育の充実に向けた取組みを推進します。教育相談と指導の充実については、いじめや不登校などの問題行動を未然防止したり、早期発見・早期対応を図る為、児童生徒の不安や悩みを解消するスクールカウンセラーや心の教室相談員の体制強化を図ります。

    9.道の駅リニューアルについて

     道の駅「サーモンパーク千歳」の再整備では、基本コンセプトである「清流せせらぐ まちなかにぎわい空間」を目指し、サーモンパーク全体の測量や外構設計を行う他、センター施設の整備や公共部門・商業部門の事業計画の実現に向けた取組みを進めます。また、LCCの就航により、今後増加が見込まれる個人や小グループの旅行者に対応する為、パンフレットを整備すると共に、来訪者の歓迎や魅力的な観光資源の紹介を行うポスター等を作成するなど関係機関と連携しながら観光客の受入れ環境の充実を図ります。また、市の観光ホームページや観光キャンペーン、旅行雑誌などの広告媒体を活用して、様々な観光情報を提供するなど、観光客誘致に向けた宣伝活動を実施します。

    *千歳市の姉妹都市であります、指宿市市長の配慮と、山口市長が天然記念物の大うなぎ生産者と直接交渉の結果、二つ返事でOKが出てサーモンパークで指宿の天然記念物大うなぎが見られる事になる模様です。

    10.支笏湖温泉について

     観光振興については、観光都市としての魅力づくりを進める為、札幌広域圏組合やさっぽろ広域観光圏推進協議会等と連携して広域的な観光ルートの設定などに取組むと共に、支笏湖温泉開発事業として、供用開始に向けた揚湯設備及び引湯設備等の整備を行います。

    *今回出た温泉は、泉量が以前の3倍程で、温度も高く、「塩化物泉」と言います。

    ※『塩化物泉』の特徴について
     単純温泉と並んで、日本では多い温泉となります。無色透明です。塩辛く、肌のべとつきや、石鹸が泡立たない事があるお湯になります。皮膚に付着した塩分によって保安効果が高くなります。よく温まり、湯冷めもしにくい事から、「熱の湯」とも言われています。皮膚病や外傷などに効果があるとされます。ナトリウムイオンは、女性ホルモンのエストロゲンの分泌を促進させる働きがある事から、女性の更年期障害にも有効であるとされています。

    11.ヒメマスふ化場について

     支笏湖産ヒメマスについては、支笏湖漁業協同組合や関係機関と連携し、安定した供給を図ると共に、老朽化したふ化場の整備に向けた取組みを進め、ヒメマス資源の保護と増殖に努めます。

    *昭和3年に建てられたふ化場については老朽化の為に建替えの予定。

    12.千歳駅前の電光掲示板について

     千歳駅前の電光掲示板を利用し、様々な情報を配信していきます。

    13.千歳市役所本庁舎と第二庁舎について

     本庁舎は耐震対策が必須であり、耐震工事をする為には工事を行う部署毎に移転しながら行っていかなければなりません。また、現状の教育委員会庁舎の老朽化の問題もある事から、別庁舎を建設する事を計画しています。

    卓話2

    (上記内容については平成25年度市長市政執行方針参照)

     卓話終了後、山口市長へ川端会長より謝辞が述べられ、合わせて記念品が贈られました。

    会長謝辞 記念品贈呈

     山口 幸太郎 様、公務ご多忙の中、貴重なご講演を頂き、有り難うございました。