6月9日(木) 卓話「中国海外研修について」
国際ロータリー第2510地区ローターアクト代表補佐 西村 英晃様
千歳ローターアクトクラブから1名の参加で、私が参加させていただきました。
2011年2月22日~26日の日程での研修、私は仕事の都合上23日からの合流となりました。
今回の主目的でもあった青島濱海学院との交流にポイントを絞ってまとめたものをご報告いたします。
まず、北京の空港に降り立ちそこから乗り換えをし青島へ。到着の翌日に交流会があり、訪問してみると、広い敷地に何棟もの大きな建物、その中には寮も完備されており、聞いたところによると完全寮制になっているとのこと、日曜日以外は敷地外には出ることなく学生達はその敷地内で生活していることを知りました。
私は大学に通ったことがなく日本の大学がどのようになっているかは分かりませんが、とにかく学生が多く、敷地内には学生寮の他図書館・プール・博物館・体育館など多くの建物もあり、敷地内を見学、視察させていただくと、学生達は皆勉学をしに通っているというオーラのようなものが伝わってきました。
主に交流したのは、副院長、日本語の科目を勉強している学生達で、中でも印象的だったのは、副院長との会談の際にお話を聞かせていただいた「介護」についての内容でした。中国の1っ子政策の結果、1夫婦に対して4人から6人の介護を迫られている現実がやってきていると言う事をしりました。その現実をその時までまったく知ることのなかった私は正直驚きました。話の中では介護について日本の実情やシステム等の質問もあり、またその中ではヨーロッパの方が介護や福祉においては先進国ではないかという問いも私たち日本人側からの話も有ありましたが、話しているうちに日本のサービス・クオリティーを望んでいるのではないかと私は受け止めました。
確かに、介護・福祉と言う面ではなく、工業製品や技術のレベルではよく日本のクオリティーの高さやサービスは評価されており、やはり、そのような面からも日本人の気質や仕事に対する評価は高いことを、改めて知ることが出来た気がしました。
そのことに付随して、私が考えたことがあります。それは、まだ介護と言う分野が浸透していない中国社会では、今後今回私たちが訪問させていただいた大学はもちろん教育の面で「介護・福祉」の分野はより一層注目されていくだろう。また、その中で、彼らが求めているものがきっと日本には沢山あり日本が見本となる場面も存在すると思います。風習や生活文化の違いもあることから、もちろん100%見本にとは言えませんが、少なくとも同じアジアの国であり近いものが多くあると思います。
そこで、現在日本の若者の介護離れ、大学・専門学校での介護・福祉系の課の生徒減少と言う日本の現実と、これから多くの人がその分野にチャレンジしようと中国との教育面からの何らかの形で協力し合えればいいと考えました。自分も直接的・間接的どちらの面からでも何か出来ることがあれば是非行いたいと おもいます。
最後に、中国の人口の多さ、また貧富の差が大きいと言われている中国ではあるが、街を見てみると確かに、道路一つ見ても、舗装道路に高級車、その中にリアカー付きの自転車が走っていたり、都心部の高層ビル/マンション、その中に一歩外れてみると砂利道に崩れかけた住宅などが目に留まりました。
その中で、どのように介護・福祉ビジネスを成功されるか、また利用する方のニーズに答えられるか、大学訪問の翌日からの研修期間考えながら残りの日を過ごしてみました。
私の目から見ても人口の違い、貧富の差が十分に理解することが出来、その中で介護ビジネスを、、、と考えると、デイサービスや入所型の一般的に箱物と言われている事業よりは、法律や制度が不十分な現状では、スタッフ、施設の確保の問題からも、「訪問介護」「介護付きマンション」が多くの人が幅広く利用でき良いのではないかと考えました。貧富の差、人口の多さを考えると施設利用(入所)をしなくても現存の自宅で介護を受けられる「訪問介護」、1夫婦に対し4人から6人の介護が必要になってきたというお話しから、「介護付きマンション」で夫婦で安心した生活を、、、というのが日本よりも定着すのではないかと考えました。
今回の研修のレポートを書き終えて、高齢化社会/介護問題と言うのは日本だけではなく他国でも問題視されてきているのだと知ることが出来き、私自身改めて「介護・福祉」と言う分野に興味が沸いた研修でありました。
今回の研修の後、地区アクトでは、訪問させていただいた学校からの要望もあり、介護福祉に関する、図解式テキストや問題集を購入し寄付することも第一歩として行いましたのでこの場をお借りして、ご報告、お礼とさせていただきます。