12月22日(木) 卓話
佐藤 秀雄 パストガバナー
〇第40回 国際ロータリーゾーン1,2,3研究会報告
11月23日(水)から26日(土)に大阪国際会議場・リーガロイヤルホテルで開催されたロータリー研究会についてお話しします。
11月23日(水)は財団セミナーで全国の地区ガバナー、ガバナーエレクト、ガバナーノミニー、地区財団委員長並びに財団学友コーディネーター等約200名が参加し、財団の現状並びに未来の夢計画等の研修をしました。
25日(金)・26日(土)は、9時から17時までロータリー研究会の本会議を約500名が参加して開催されました。最初に、カルヤン・バネルジーRI会長から「一人一人が唯一無二の存在であるロータリアンは、それぞれ語るべきストーリーをもっています。この研究会では、仲間の声に耳を傾け、ご自分について、また家族について語り合っていただけることを願っています。ロータリー活動の原点は家族にあります。マハトマ・ガンジーはかつて、次のように語りました。『世界を変えたいと思うなら、まず自分自身を変えなければならない』と。喜びに満ち溢れた世界を願いつつ、今日、この研究会から、微笑みと思いやりの気持ちをもって、変化を実行しようではありませんか。これから共に活動される皆様には、新しい機会に心を開いて臨んでくださるようお願いします」との挨拶がありました。
25日9時の第1セッション「RI戦略計画―活動の実践化」から始まり、第6セッション「綱領翻訳問題・検討委員会特別セッション報告は翌26日16時半に終了しています。これから、その中の第3セッション「会員増強」について報告します。
日本のロータリー会員は、2009~10年が、2.8%という最大の減少を記録しました。2010~2011年度は2.01%の微増に転じています。本年9月末現在89,110名で、15年前の1996年がピークで会員数は13万人でした。
2650地区(京都)にEクラブが誕生しています。41名が会員になっており、そのうち60~70歳台19名が所属しています。世界では5,450のeクラブが設立され活躍しています。eクラブは、「例会場に集まって例会をするのではなく、毎週木曜日なら木曜日の11時に原則一時間、自宅あるいは職場のPC前に集まって、会長から与えられた議題に対して自分の意見をメールで送信する方法で行う」ことを云います。その日に都合の悪い方は、その週のうちに返信しても良いことになっています。
eクラブの課題は沢山さんあります。地域社会の奉仕活動は一堂に会して行うことが原則です。ガバナーの公式訪問はどうするのか、地区大会、ガバナーエレクトが主宰する地区協議会、会長・幹事研修会、ガバナー補佐会議等々はどうするのか、問題は山積されていると思われますが、世界では現実に5,450のeクラブが活動していますので、何らかの方法でクリアしていると思われます。従いまして、これからのクラブの奉仕活動は大きく変化せざるを得ないものと思っています。クラブの仕組みも変化せざるを得ないのです。
北海道でもeクラブを誕生させるべきだという推進派がいますが、現在行われているような、きめ細かな例会は極めて難しいものと思っています。国際ロータリーの定款細則では、地区に2つまではeクラブを認める決議が2010年度の規定審議会で通りましたので、これからどんどん増えていくものと思われます。
福島グローバルRCは財団学友が中心となって11名で設立され、30名を目標としています。郡山市に本部を置き、年会費は年6万円、例会は夜間として19時から20時まで、会場は神社をお借りして例会場としています。今年度で3年目に入り、広範囲にメンバーがいるが、非常に出席率が高い。何故か、理由を調査した結果は、「メンバーに会えるから」が一番多かったそうです。2時間も掛けて例会場に駆けつける会員もいるとのこと。頭が下がる思いです。
さて、会員増強は人間の体で言えば血液です。この血液が枯渇すれば人間として生きていけません。クラブも同じで組織を形成する個々の会員が減少すれば組織として活動し運営することができません。クラブを解散するか、あるいは他のクラブと合併するしかないのです。当地区においても昨年度末には40数年継続した羽幌RCがRIに解散・終結届けを出し、その活動は終了しました。当クラブにとっても会員増強は喫緊の課題であります。会員の高齢化が進んでおり、若い血液を注入するしかありません。今、まさに会員増強委員会を中心にしてチームを編成し、増強に力を注いでいるところです。
世界恐慌とまでは行かないまでも、「市場」という魔物に取り憑かれた世界経済は、一国の力によって健全な経済運営が出来ない時代を迎えています。欧州における国債の格下げ、アメリカの不況、日本の円高等々、世界経済は「市場」によって左右され、大変な不況下にあります。そいう中にあって、日本のロータリアンも会員の減少をみているわけですが、おそらく日本においてもeクラブが頭角を現し、将来、大部分のクラブはeクラブとして存続し、その組織体系が大きく変化を遂げていくのではないか、と想像されます。