1月29日(木) 国際奉仕委員会卓話
講師のご紹介 国際奉仕委員会 菅原 正行 委員長
皆さん、こんにちは。本日は「誰にでもできる国際協力」と題しまして、認定NPO法人「飛んでけ!車いす」の会の代表理事であります中原 宏和 様、同じく理事であります佐々木 香澄 様にお越し頂いております。それでは早速講師のプロフィールをご紹介させて頂きます。
はじめに中原 宏和 様ですが、お生まれは札幌市白石区で、現在は夕張市に在住されております。北海道大学経済学部経済学科を2012年にご卒業されております。ボランティアへの関わりですが、ボランティア活動を始められて8年目です。立命館慶祥高校在学中にベトナムに「車いす」を持って行かれ、その後、北海道大学入学直後より「飛んでけ!車いす」の会にて学生ボランティアとして活動され、世界中に車いすを届ける活動や日本国内での啓蒙活動を行っています。ちなみに、車いすを運んだ回数としましては、個人旅行で2回、スタディーツァーとして3回参加されております。
中原 宏和 様
次に理事であります佐々木 香澄 様のご紹介をさせて頂きます。お生まれは札幌市北区、現在は千歳市に在住されており、国際奉仕委員会榊原副委員長の職場であります一般社団法人千歳観光連盟にて勤務されております。2009年に北海道教育大学札幌校国際理解教育課程修了、また、2011年には北海道大学文学研究科にてタイの地域研究をされ、修士号を取得されております。ボランティアへの関わりですが、ボランティア活動を始められて8年目です。大学2年生の時に学科の先輩に誘われ、「飛んでけ!車いす」の会を知り、活動を始められております。その後、学生理事を経て事務局長を2年務めております。現在は社会人ボランティア兼理事としてボランティア活動を続けられております。これまで車いすを運んだ回数ですが、個人旅行で9台、スタディーツァーに5回参加されております。
佐々木 香澄 様
本卓話にあたりまして皆さまのテーブルに「飛んでけ!車いす」の会のパンフレットを置いてありますので、活動内容などご覧頂き、ご理解して頂きたくお願い致します。合わせて、この活動を運営するに当たり皆さまの温かいご支援をお願いしたいと存じます。卓話の際に皆さまのテーブルにお伺いさせて頂きますので、皆さまの温かいご寄付をお願い致します。
結びに、本卓話を行うに当たり、榊原副委員長にご尽力を賜りました。この場を借りて感謝申し上げ、卓話に入りたいと思います。それではよろしくお願い致します。
卓話「誰にでもできる国際協力」
「飛んでけ!車いす」の会 代表理事 中原 宏和 様
ただいまご紹介頂きました、認定NPO法人「飛んでけ!車いす」の会、代表理事の中原です。本日はお招き頂き、有り難うございます。ちなみに本会の英語表記ですが、Go fly with chairsとなっております。文法とか全く無視した表記となっておりますが(笑)、海外の方からは“非常に覚えやすい名前ですね”と言われます。是非、英語名も覚えて頂けたらと思います。
私たちの目指す社会 「飛んでけ!車いす」の特徴
車いすの手渡し方ですが、事務所から空港まで手で運んで持って行きます。飛行機に乗る際に預け入り手荷物としてスーツケースの代わりに車いすを預かって頂くようにお願いしています。こういう形が出来上がった経緯として、初代の代表理事が(中原氏は3代目)学生時代に大学サークルでベトナムに行った際、現地の病院に“何か欲しい物はありませんか”と尋ねたそうです。返ってきた答えが、「車いす」と「ビタミン剤」が欲しいという事でした。ビタミン剤は何とかカバンに入れれば持って行けますが、車いすはどうすれば良いのか、学生なのでお金も無い状況です。考えた末、自分達の荷物を少なくし、代わりの荷物として飛行機で持って行けるのではないかと考え、航空会社に頼んだ所、きちんと運ぶ事が出来ました。日本から海外へ車いすを届けている団体は多々あるのですが、当会のように自分で運ぶという会は余りありません。
車いすはどこから? 車いすの整備-シニアの活動
車いすは、使っていた方が亡くなり、使われなくなった例や人間の成長に合わせて更新していく必要がありますので、施設や学校単位でその際に使われなくなった車いすを頂いています。他にも神奈川県相模原市の養護学校のお母さん達はとても熱心に行動して頂き、子供用の沢山の車いすを寄贈頂いております。子供用の車いすは日本では作られておりますが、諸外国でそこに暮らす子供に合った車いすを作っている国はありません。そうやって集めた車いす(常時100台~120台ほど確保)をシニアの方々のお力を借りて整備し、それを選定して国外に届けています。
旅行者が運びます 直接会って手渡しをします
※佐々木理事がカンボジアの女性の訓練施設に車いすを届けに行った際の写真です。散歩や買い物に行く事が出来て喜んでいたそうです。届けた後、どう使うか、生活がどう変わったか現地の声を聞くのが楽しみだと話されていました。
77カ国2424台 車いすが多く飛んでいった国は 企業のCSR
※16年間の実績で沢山の国に届けられています。青年海外協力隊の方々のご協力も頂きながら届けています。人的協力だけではなく、沢山の企業からも様々な形でご支援頂いているそうです。
ここで、発表者が佐々木理事に代わり、「飛んでけ!車いす」の会の実際の活動紹介がされました。
理事 佐々木 香澄 様
タイの事例 ガーナの事例 カメルーンの事例
※ムービーを使った活動紹介の後、実際に受け取られた方やご家族の生活がどう変わったか、その様子を発表して頂きました。実際に受け取った方々の声として、タイでは(画像左)生まれつき両腕と右足が短い女の子からは家族の介助なしに家から出る事が出来たという言葉や、ガーナでは(画像中央)車いすが届けられた事で友人の力を借りながら小学校に通えるようになったという事、カメルーンでは(画像右)中学校で数学の先生をしている方に車いすが届けられ、これまでは両手両足にサンダルを履いて学校に通っていたそうですが、車いすが届いた事で楽に仕事が出来るようになったと感謝の言葉を頂いたそうです。その他にもベトナムの事例で家族の介助が楽になるとの言葉も紹介されました。
タイバンコク2007 タイバンコク2009
※その後、実際に佐々木理事が車いすを届けた3度のタイ訪問について発表頂きました。
卓話の最後に佐々木理事は、パンフレットにも書いてありますが、当会はリングプルの収集を行っております。リングプルというと新品の車いすと交換するイメージが強いと思いますが、新品1台と交換する為には沢山の量を集めなければなりません。私たちはそのリングプルをお金に換え、車いすを整備する資金として活用しています。皆さまの事業所に自動販売機がありましたら、リングプル回収箱を設置して頂けると大変嬉しく思います。と述べられました。
◇寄付金の贈呈です。
菅原国際奉仕委員長より謝辞と共に例会中に会員から寄せられた寄付金41,000円が手渡されました。
最後に藤本会長より記念品が贈られました。
「飛んでけ!車いす」の会の皆さま、貴重なお話を有り難うございました。