11月28日(木) 職業奉仕委員会卓話
北海道空港株式会社 代表取締役社長 山本 邦彦 様(札幌RC)
昨年初めて開催し、好評を博した“万葉の湯”での夜間移動例会です。今年も引続き山本社長が卓話を担当され、今回のテーマは“新エネルギー『雪』”と題してご講演を頂きました。北国では切っても切れない関係の雪、時には良くも悪くもなる雪を活用するクリーンでエコな「雪冷熱利用」で先端を行く北海道空港についての貴重なお話でした。
冒頭、“万葉の湯”が、平成23年7月オープン以来1年間で約21万人、24年7月からの今年一年間は約26万人(≒一日700人)の入館者があり順調に推移している事に触れ、続いて本題の「新エネルギー『雪』」について20ページに亘る資料を用いて分り易く教えて頂きました。
最後には当クラブ職業奉仕委員会浅利美恵子委員長からの依頼により「新千歳空港ロジスティクスセンターの開発事業」と「1964年東京オリンピック時の『聖火ランナー山本社長』が2020年の東京オリンピックに思う事」について触れ、いずれも「地域、地元の発展に有効活用される事が望ましく期待します。」とのお話がありました。
終わりに、当クラブ川端清会長から「大変貴重で有意義なお話をして頂きありがとうございます」との謝辞で楽しく有意義な卓話の時間が終了しました。
以下、エコエアポートを目標とする、北海道空港に関する卓話の概要です。
新エネルギー「雪」
=新千歳空港クールプロジェクト=
※資料の画像を一部添付します。(クリックすると拡大します。)
一. 雪冷熱利用の動向
・「雪氷冷熱」が新エネルギーに登録される(新エネルギー法:2002年改正)
・農作物貯蔵利用は雪室(ゆきむろ)・氷室(ひむろ)など実績多数
・北海道、東北を主軸に施設利用も増加傾向(全国約150ヵ所)
・うち道内約65ヵ所あり「環境の先進県」
・当空港施設は貯雪量12万㎥(現在値、24万㎥まで可)で現在稼働中世界一の業容
二.新千歳空港での取組み
・貯めた雪の融解水を、ターミナルビルへ供給かつ循環して冷房熱源とする
・空港で国が除雪した雪を貯める~融雪剤の近隣河川への流出防止
⇒BOD汚染防止
・民間(同社)が重油を使わずにターミナルビルのエコ冷房
⇒CO₂削減(1,050t/年=雪山12万㎥・重油使用冷房比・原油430kl換算)
三.雪冷熱供給施設の概要
◇所在地:千歳市美々 新千歳空港内
◇貯蔵ピット面積:2万㎡【大型ダンプ1万2千台分】
◇竣工:2010年2月 同年5月運用開始
◇雪冷熱利用方式:熱交換冷水循環方式
◇貯説量:12万㎥(~24万㎥)
◇目標エネルギー削減量:原油換算430KL/年(~860KL/年)
◇冷房供給期間:5月~9月 5ヵ月間
※( )内は将来計画
四.職業奉仕委員会浅利美恵子委員長からの依頼
職業奉仕委員会 浅利委員長より、事前に以下の2点についてお話して頂きたい旨、お願いしていた所、この2点に関しても資料を準備して下さり、丁寧に説明をして頂きました。(配布資料の紹介とさせて頂きます。)
●『新千歳空港ロジスティクスセンター』の開発事業について
※事業概要等が記載された資料となっています。
●1964年東京オリンピック時の「聖火ランナー山本社長」と2020年東京オリンピック
※5月10日千歳民報記事抜粋
卓話の終了後、川端会長より山本社長へ本卓話に対する謝辞と記念品の贈呈が行われました。