3月24日(木) 青少年奉仕・ローターアクト委員会卓話
◇ゲスト講師紹介:青少年奉仕・ローターアクト委員会 前田 浩志 委員長
皆さん、こんにちは。本日は当委員会担当の通常例会に多くの会員の皆さまにお集まりいただき、どうもありがとうございました。皆さまご存知かと思いますが、当委員会の活動としては大きく分けて2つあります。ローターアクトクラブへの活動支援と北海少年院・紫明女子学院の各種行事に対する支援活動です。私は本年、青少年の委員長として、ご案内をいただきました北海少年院の各行事に参加し、少年たちが更生という目標に向けて真摯に一生懸命に取り組んでおられる姿を拝見させていただきました。合わせて実際に現場で指導されている先生達も、当人以上に本当に情熱を持ってご指導されているのだなと、感じさせていただいた所です。本日はその一端でも皆さまにお伝えしたいと思い、公務ご多忙の中、北海少年院 院長の一柳光司 様にお越しいただきました。どうもありがとうございました。
ここで恒例ではございますが、講師の略歴などをご紹介したいと思います。本日の講師である北海少年院長一柳 光司 様は、昭和33年3月に奈良県でお生まれになり、昭和55年に北海道大学教育学部をご卒業されました。同9月には法務教官となられ、茨城県の水府(すいふ)学院に勤務されました。その後、平成20年沖縄女子学園長、平成21年には筑紫(ちくし)少女苑長、平成23年には岡山少年院長、平成24年には愛知少年院長、平成27年から現職を務めていらっしゃいます。本日の卓話では「明日につなぐ」と題してご講演いただきます。それでは一柳院長、よろしくお願いします。
◇ゲスト講師:北海少年院 院長 一柳 光司 様
◇テーマ:「明日につなぐ」
只今、ご紹介いただきました一柳でございます。本日の講演「明日につなぐ」というタイトルで資料に基づきお話しをしていきたいと思います。
いつも千歳ロータリークラブには様々なご支援を頂き、北海少年院として本当に感謝申し上げます。この講演で少年院とはどういうところなのか、どんな取り組みをしているのかについてご紹介させていただきます。従来、刑務所、少年院といいますと塀の中にあってあまり情報の発信はしないというイメージがあり、実際に以前は広報についてあまり発信していなかったというのが現状でありました。しかし、現在では今までとは変わり、出来るだけ地域の方々に、少年院はこのような事をしている、矯正施設ではこのような事をしている。という事の情報発信をして行く形に変わって来ています。
※興味深い非常に分かりやすいご内容の卓話となりました。以下、ご説明いただきましたポイントを記載します。
少年院とは家庭裁判所の決定により保護処分として送致された少年を収容する、法務局所管の施設です。処分の流れとして大人であれば、地方裁判所で裁判を受け、処分を受ける場合は刑事処分となりますが、少年の場合であれば家庭裁判所、処分については保護処分という事になります。そして少年院は法務省の所管という事で私も法務省の教官という事で官名は法務教官となっています。また少年院では「在院者の特性に応じた適切な矯正教育」その他「健全な育成に資する処遇」を行う事により「改善更生と円滑な社会復帰」を図っていますので少年院も教育機関という事で思って頂きたいと思います。少年院の最終的な目的としましては、子供を更生させて社会に戻して行くという事になります。昨年の6月に法の改正がありまして、矯正教育と社会復帰支援は大きなやるべき目的の柱となっています。少年院はおおむね12歳から20歳までの少年を収容しています。また、16歳未満の受刑者を収容する事もあり、少年院には犯罪的傾向の進度や心身の著しい障害の有無などにより、第1種から第4種までの種類があります。今までの少年院では初等、中等、特別医療というように分けられていましたが、1種から4種までと変わり、北海少年院は1種の少年院になります。基本的には著しい障害のない少年男子の収容をしています。女子については隣の紫明女子学院で収容しています。
少年院は教育機関でありますので様々なプログラムに応じて教育を行っており、在院者の処遇については、3級、2級、1級の3つにされて、それぞれの段階に応じた教育目標や教育内容を設定し、期間の中で目標、教育を達成して社会復帰をして行きます。
矯正教育の内容につきましては資料の写真と合わせて見ていただきますが、子供たちは社会復帰に向けていろいろな勉強をしています。生活指導、職業指導、教科指導特別活動指導など様々なプログラムの中で頑張っています。北海少年院としても子供たちが立ち直るためにも就職先が決まっているという環境をつくらなければなりません。お手元にお配りした資料「協力雇用主」という制度があり、千歳でも何社かのご協力をい頂いておりますのでもし、興味がございましたら私どもに相談いただければと思います。
本日は大変良い機会をいただきました。今後とも、少年院の取り組みなどの情報について発信していきますので引き続きご支援、ご協力を賜れば幸いと存じます。今後とも宜しくお願い申し上げます。
※最後に沼田会長より本日の卓話に対する謝辞をいただきました。一柳様、ご多忙の中、とても分かりやすい丁寧なご説明をいただき誠にありがとうございました。